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2025年6月26日

日本通信、携帯電話番号の指定を受ける - MVNOとして日本初 -

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日本通信株式会社(以下、「当社」という)は、2025年6月25日に総務省から携帯電話番号(090他から始まる11桁の番号)の割当てを受けましたので、お知らせいたします。MVNO(仮想移動体通信事業者)が携帯電話番号の割当てを受けるのは、日本で初めてのことであり、2021年12月の総務省情報通信審議会による方針決定および2023年2月の制度改正によるものです。音声通話網およびSMS網との相互接続には、携帯電話番号の割当てを受ける必要がありますが、今回の携帯電話番号の割当てにより、音声通話網およびSMS網との相互接続の実現に向けて、着実に進捗しております。

当社は、従来のMVNOという枠を超え、MNO(移動体通信事業者)による契約・技術面での制約から解放され、音声・SMS・データ通信のすべてを相互接続して提供する「ネオキャリア」としての道を歩み始めます。MNOに対抗し得る競争主体としてのステージ転換であり、通信事業者としての本質的な自立を実現するものです。

当社は、2007年の総務大臣裁定によりNTTドコモのデータ通信網との相互接続を実現しましたが、音声通信網およびSMS網との相互接続については、携帯電話番号の指定をMVNOが受けることが制度上不可能であったため、実現できない状況が続いていました。しかし、2021年12月に総務省情報通信審議会においてMVNOへの電話番号指定方針が示されたことを受け、当社は2022年6月にドコモにホストMNOネットワークと自社コアネットワークの相互接続を申し入れ、2024年2月に合意に至りました。当社は現在、国内通信事業者との相互接続に係る調整および緊急通報網(110 番、119 番他)の構築を進めているほか、HSS(Home Subscriber Server)、IMS(IP Multimedia Subsystem)、SMSC(Short Message Service Center)等のコアネットワーク機能の構築を進めています。当社内での動作試験等はほぼ終了しており、今回の携帯電話番号の割当てを受け、今後はドコモの基地局との連携を想定した試験に移行いたします。2026年5月24日(予定)の新サービス開始に向け、準備を本格化しています。

当社の代表取締役社長兼CEOである福田尚久は次のように述べています。
「卸契約は一般的に、相手企業の事情に左右されやすく、不透明な点が多くあります。しかし今回、電気通信事業法に基づく相互接続という持続可能な仕組みが整ったことで、将来に向けた明確な出口が見えてきました。相互接続に至るまでの道のりは大変ですが、確実にその先にたどり着けると確信しています。これは、広大な平野に虹がかかるように、希望の兆しが見えた瞬間でもあります。この機会を新たな出発点とし、“本当の意味で独立した通信事業者=ネオキャリア”として思いきった挑戦を続けてまいります。」

<「ネオキャリア」構想とその意義>
音声通信網等の相互接続が実現すると当社は、データ通信網、音声網、SMS 網の全てについて、電気通信事業法の定めに基づき、原価ベース、正確には「適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額」で将来に渡り使用することができるようになります。同時に、現在より自由度の高いサービスを提供することができるようになります。当社はこれを、ネオキャリア、すなわち新たな形のキャリアの誕生としてとらえています。

<ローコスト・キャリア実現に向けた取り組み>
当社は6か国21社にわたるベンダーとの連携により、HSS、IMS、SMSCなどのネットワーク機能を最適に組み合わせたコアシステム構築を進めております。機能ごとに最適な技術を選定し、システム全体の投資コストを従来の数分の1に抑えています。加えて、ネットワーク運用、代理店コスト、営業、人件費等の多くの点においてローコスト・オペレーションを実現しており、MNOに比べて優れたコスト効率性を持ち、競争力を発揮しています。

当社は今後も、安全・安心にビットを運ぶことを使命とし、サービス・製品を通じて社会に貢献し、持続可能なデジタル社会の構築と企業価値の向上を目指してまいります。

■日本通信について
日本通信株式会社は、1996年の創業以来、通信業界に革新をもたらし、MVNO市場を切り拓いてきたパイオニアです。シンプルで合理的なモバイル通信サービスを中心に事業を展開し、安定した収益モデルを確立しつつ、さらなる成長を目指しています。特許技術を活用した無線専用線「閉域SIM間通信」やデジタル認証技術「FPoS」を強みとし、認証技術をコアにモバイル通信サービス及びデジタル認証基盤の提供にも注力しています。国際セキュリティ基準PCI DSS認定を取得したモバイル専用線は警察や銀行などの厳しい分野で採用。FPoSは世界最高水準のセキュリティと利便性を両立しています。「安全・安心にビットを運ぶ」というミッションのもと、国境を越えた安全なモバイル環境の社会インフラ構築を目指し、持続可能な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。