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東日本大震災の復興支援への協力により、東北地方非常通信協議会より表彰

2011年7月20日

日本通信、東日本大震災の復興支援への協力により、東北地方非常通信協議会より表彰

日本通信株式会社(以下、「当社」という)は、本日、東日本大震災の復興支援への協力により、東北地方非常通信協議会(会長:総務省東北総合通信局長)より表彰されましたので、お知らせいたします。

3月11日の地震発生後、被災地では、発信規制あるいは輻輳により携帯電話が使用できない状況に陥りました。しかし、当社のモバイルIPフォンは、携帯電話のパケット通信が使用できる限りは通常通り携帯端末で通話ができるものであったため、総務省からの緊急要請に基づき、当社の050モバイルIPフォン・サービスを、当社が販売するスマートフォン、IDEOSに組み込み作業を行い、取り急ぎ200台を準備、3月15日及び16日に、当社の役員及び社員有志が、宮城県災害対策本部、福島県災害対策本部、東北大学病院他にお届けし、それ以降、余震発生後でも通常通り通話ができるモバイル電話サービスとしてご利用いただいております。

このたび当社は、東北地方非常通信協議会(会長:総務省東北総合通信局長) より、以上の協力により、表彰を受けたものです。

当社は、当社ができる、当社しかできないことを、このような状況でご協力することは当然のことであると理解しており、特段、これについて公表するものではないとの認識で、本日まで公表してきませんでした。しかし、当社が今回、このような対応をできたのは、ひとえに当社を支えていただいているお客様、株主の皆様、ビジネスパートナー各社、そして社員のお陰であり、表彰を受けたこの機会に、当社を支えていただいている皆様と共有すべきものと考え、本日、このような形で公表させていただくこととしました。

この場をお借りして、本件の当社の取り組みに対して、ご理解と引き続きのご支援をお願い申し上げますとともに、皆様に感謝申し上げます。

なお、本件に至った経緯について、皆様と共有するという主旨で、以下にご参考として記述させていただきます。

【ご参考:経緯】

3月11日(金)

当社の代表取締役社長三田聖二は、地震発生時、機関投資家を訪問し、会議に出席していました。地域と建物の状況から、会議室の中は、物が落ちてきたり、建物で漏水したりで、海外生活の方が長い三田にとっては、未経験の地震体験でした。長い揺れがやっと落ち着いたところで、会議テーブルの下に避難していた出席者とともに、階段を走ってやっと地面にたどり着きました。道路は避難してきている人であふれており、白バイの警察官は、近くに倒壊したビルがないか、聞き回っていました。

三田は、会社の状況を確認するため、普段使っているiPhone(プラチナサービス)でトライしましたが、携帯電話は全くつながらず、周りにいた人たちも、誰にも連絡できずに困っている状況でした。しかし、会議に同席していた役員が、機関投資家に新製品としてデモンストレーションしたばかりの050モバイルIPフォンがセットされているIDEOSを持っており、それで会社に電話したところ、普通につながり、当社のデータセンター及び本社には異常は発生していないことを確認できました。

ちょうどこの日に成田着の予定で米国から移動中だった役員がいたのですが、インターネットで調べたところ、成田着のフライトは別のところに飛ばされたようで、当該フライトはアラスカに向かったようでした。オフィスの電話も、携帯電話もかけられない中、IDEOSモバイルIPフォンで連絡が付き、状況を確認できました。

3月12日(土)

震災後、携帯電話がつながらないとの報道を見て、三田は総務省に連絡をとり、IDEOSに搭載した050モバイルIPフォンは地震発生直後にも問題なく使えたこと、なぜならば、回線交換の発信規制中、あるいは輻輳中でも、パケット通信が活きている限りIPフォンは使用できるからであることを伝え、当社でできることがあれば言っていただきたいと伝えました。

3月13日(日)

総務省は省内で判断し、12時間以内に総務課から当社役員に電話連絡があり、宮城県と福島県の災害対策本部で使用するため、Huawei社製IDEOS(日本では当社が販売、写真1)に050モバイルIPフォンを搭載して、各対策本部に100台ずつ、合計200台を提供するよう要請を受けました。勿論、当社はその要請に応じ、至急準備を進めるので、どこにどのように届ければよいかの指示をいただきたいとお伝えしました。この時点では、自衛隊が運ぶことになると思われるため、そのためにどこに届けるかという話しでした。

3月13日(日)~14日(月)

1台ずつ050モバイルIPフォンのインストール作業、フル充電作業、動作確認作業を行いました(写真2)。一方で、届け先について、総務省から連絡があり、自衛隊で運ぶのは時間がかかりそうであることがわかり、当社が自ら持っていっていただけないか、との打診を受けたので、東北自動車道を通行できるようにしていただければ、直接届けますとお答えしました。その結果、総務省及び警察から、緊急車両許可をもらうことになり、大型ワンボックスカーをレンタルし、有志として届ける役員、社員の食料、水、毛布等の準備を進めました。

3月15日(火)

福島第一原発の事故が、想定以上に悪い状況であるとの報道を受け、関東から東北への地図により、東北自動車道が原発からどのくらいの距離にあるかを確認し(写真4)、役員、社員有志が東北自動車道を通行しても問題ないとの判断をした上で、ワンボックスカーで出発する有志(以下、「IDEOSお届けチーム」という)を見送りました(写真3)。

IDEOSお届けチームは、勿論、050モバイルIPフォン付きIDEOSを持っているので、途中で本社と連絡を取り合いながら、緊急車両しか通行していない東北自動車道を北上し、夜になって、福島県災害対策本部に到着しました。総務省から見事な連絡が入っていたことから、対策本部内はてんやわんやしていたものの、比較的スムーズにIDEOSをお渡しし、使い方をご説明し、そこに100台置いて、次の目的地に向かいました。

3月15日(火)夜

ここは、本筋とは関係ないのですが、エピソードを一つ。
IDEOSお届けチームは、車中泊の支度をして出発していましたが、チームメンバーの技術者が、インターネットで福島市郊外のホテルを予約できたとのことで、チームはそこに向かいました。郊外と言っても、相当距離が離れたところなので、満室になっていないのだろうとのことで、連絡を受けた本社スタッフも、そんなことがあるのかと思って、とにかく連絡を待っていました。すると暫くたって電話連絡が入り、目的地のホテルに着いた、でも全館閉鎖されていた、との報告でした。
結局、東北自動車道のサービスエリアに車を止めて、車中泊するようにしたのですが、インターネットに頼りすぎた失敗でした。

3月16日(水)

IDEOSお届けチームは、車中泊であまり眠れないまま、仙台に向けて出発。昼前には仙台に入り、宮城県対策本部に到着し、100台のIDEOSをお届けし、使い方をご説明しました。通話料金とかはどうしたらよいのかとのご質問をいただいたようですが、050モバイルIPフォンは、通話料も安いことから、費用のことは気にしないでご利用くださいとお伝えしました。

仙台でのもう一つの目的地は、東北大学病院だったのですが、これは、IDEOSお届けチームのメンバーの一人が、当社のコールセンター担当で、彼が直接応対した東北大学病院の先生が、b-mobile WiFiの件で困っているとのことで、直接お届けすることにしたものです。また、東北大学医学部保健学科および福島県立医科大学が、避難所に看護チームを出すのにあたり、IDEOSを使いたいとの申し出を受けていたため、そちらに10台のIDEOSをお届けする予定でした。

それをお届けしたところ、病院長先生がその場で電話してみて、すぐにつながったために、これを至急準備してほしいとのことになり、福島県立医科大学の先生にお届けする予定だったものを含めて、あるものを全て東北大学病院にお預けしました(福島県立医科大学には、別途お送りしました)。

被災地の医療・看護支援チームでは、モバイルIPフォンが付いたIDEOSは、「優れもの携帯」というニックネームをいただいているようです。

持っていったIDEOSを全数お届けしたIDEOSお届けチームは、3月16日の夜、東京に無事に帰還しました。

以上が、3月11日から16日頃にかけての経緯です。その後、毎月、災害対策本部の方々と連絡を取り合っていますが、今日でも、余震直後とかに携帯電話が使えなくなったりする状況があり、引き続き役立っているとのことで、継続してご利用いただいています。

<ライブラリー>
写真1
写真1
050モバイルIPフォンを搭載させるために使用した、Huawei社製IDEOS(日本では当社が販売)
写真2
写真2
写真3
写真3
ワンボックスカーで出発する有志「IDEOSお届けチーム」
写真3-2
050モバイルIPフォンのインストール作業、フル充電作業、動作確認作業 風景
写真3-3
交通状況や道順を念いりに確認
写真4
写真4
写真5
050モバイルIPフォンユーザインタフェース。これが付いたIDEOSは、現地で「優れもの携帯」と命名される。


■日本通信について
1996年5月24日、日本通信は新たなモバイルサービス事業のあり方を提示するため生まれました。それから13年の歳月を経て、2009年3月、NTTドコモとの相互接続により「MSO事業モデル」を完成させ、それから2年弱でこのモデルの収益性を実証しました。ネットワークを効率的に運用する当社独自の先端技術やリアルタイムの認証技術などによって、ユニークな通信サービスをつくりだし、自社b-mobileブランド製品をお客様に提供するMVNO事業、及びメーカーやインテグレータ他のパートナー企業に提供するMVNE事業を展開しています。
MSO=Mobile Service Operator

*文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
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