日本通信株式会社(以下、「当社」という)は、米国時間、2019年5月10日にFCC(連邦通信委員会)より、CBRS(周波数免許不要の市民ブロードバンド無線サービス)の商用基地局に関する認可を取得しましたので、お知らせいたします。
CBRSは、世界で唯一、共有できる最大150MHz(3.55GHz帯~3.70GHz帯)という大きな帯域をノン・キャリアに割り当て、“シリコンバレー(スタートアップのハイテク企業)”が直接使えるようにした米国5G戦略の一部です。当社は既に、実験基地局の認可を昨年8月31日に取得し、技術的な実験を行ってまいりました。その実績を元に、この度、米国コロラド州の大規模商業施設(ショッピングモール)に設置する、最大出力44.6W ERP、最大使用帯域150MHzの基地局の認可を取得しました。今回取得した認可は、CBRSの商用サービスを認可日から2年の時限付きで認めるもので、この数か月のうちに、全米で商用サービスが可能になる政府の最終承認が降りた時には、本格的な商用サービスにそのまま移行できるものです。
これまでの4Gの時代は、携帯キャリアが全国をカバーする基地局網を設置し、利用者あるいはMVNOは、その設備を使うことで無線サービスを使っています。しかし5G時代はこれまでとは異なり、企業オフィス内あるいは工場内、大学のキャンパスや商業施設などでは、自らが基地局を設置して自らが使う形態と、携帯キャリアが設置する基地局網の両方を使うハイブリッド・ネットワークが中心になってきます。
今回取得した商用基地局は、ショッピングモール全体をカバーし、様々な使い方についてモールのオーナー/運営会社と開発・準備を進めています。具体的には、モール内店舗の決済端末向けネットワークに加え、モール全体にカメラを設置し、画像解析AIと組み合わせることで、モールの来場者数や移動する流れなどを把握し、モールのさらなる活性化に活かしていきます。また、センサー等の様々なIoT機器を活用することで、ショッピングモールのオーナー/運営会社として今までできなかったことを実現するインフラになります。まずはコロラド州のオーロラにあるショッピングモールで実証し、その機能の重要性に応じて、グループの商業施設に展開していく予定です。
日本においても「ローカル5G」や「周波数免許不要のLTE」という形で、周波数共有の検討が進められています。当社は米国での取り組みを日本でも進め、政府に働きかけながら、次世代MVNOの在り方を示し、同時に事業化の面でリードしてまいります。